【自死遺族】自死で亡くなった兄の年齢を越した時/嬉しくなかった誕生日

こんにちは。

今回の内容は兄が亡くなった時の年齢を、私が越した時の誕生日のことです。

上の兄弟を亡くした方は経験することですよね。

私は今、自分の誕生日が近づいてきて、数年前に兄の年齢を越した時のことを思い出していました。

あくまで私個人の話です。良ければお読みください。

目次

私が兄の年齢を越す誕生日の前後はとても不安定だった

私の兄は28歳で亡くなりました。29歳になる1ヵ月ほど前でした。

私が兄を亡くした時のことについてはこちらの記事に書いています。

私が29歳になった日は、今から5年ほど前です。

現在、私は離婚をしていますが当時は元夫と同棲をしていました。

兄の年齢を「越してしまう」という罪悪感

私は29歳になる誕生日の前日、特に不安になっていました。

その頃の私は、鬱状態の傾向があったため(未病の状態)余計に不安が大きかったのかもしれません。

未病うつという言葉は、「Non-clinical depression」や「subthreshold depression」の和訳で、大うつ病に至らないうつ状態を指します

引用 未病うつ、その問題意識と対応策(前篇)大きな経済損失と将来のリスクをどう防ぐのか

この時に感じていたことは

  • 「越してしまう」という謎の罪悪感
  • 「自分も28歳で死ぬかもしれない」という謎の強迫観念
  • 兄が28歳で亡くなる間際、何を思っていたのかというまるで兄になりきったような想像

このようなものでした。

今思うと、どれも感じる必要のない妄想であることが自分でも分かります。

もし私が鬱傾向でなければ、感じていなかったのかもしれません。

ただ、鬱傾向ではなくても、少しはソワソワと落ち着かなかったんじゃないかなと思います。

どっちにしろ、楽しくも嬉しくもない誕生日でした。

0時が来るまで落ち着かなかった

29歳になる境目の深夜0時が近づくほど、不安で仕方ありませんでした。

この時に同棲していた元夫には、申し訳なくなるほど私は取り乱していました。

私も何かカウントダウンのように数えていました。

「その日に何か起こる」という変な強迫観念のようなものも持っていました。

ずっと泣いて過ごした誕生日

誕生日を迎えて29歳になった私は、前日まで思っていた不安とは違う感情になっていました。

正直に言うと前日の方がよく覚えていて、誕生日はあまり記憶がありません・・。

仕事を休んで、一日中ずっと家で泣いて過ごしたと思います。

この時の不安定さは兄のことというよりも、私自身の問題かなと今は思います。

上の兄弟を亡くした方が、必ず不安定になるということでは決してありません。

上の兄弟の年齢を越しても実際には何も起こらない

当たり前のことを言っているのかもしれませんが、実際には何も起こりません。

私の場合は、もともと精神的に不安定な状態だったことで、不安の気持ちが強かったのだと思っています。

何をどう感じるかは人それぞれで、人は、その人特有の認知のメガネをかけています。

私たちはそれぞれに「自分用のメガネ」をかけ、それを通して世界を見ている。  情報は同じでも認知は人によって様々な解釈の仕方がある。

自分用のメガネはいつでもかけているので、それが普通、標準だと思い込んでしまう。

引用 認知=自分用の信念メガネ

私はまだ兄弟を亡くされた方とのつながりが無いので、他の方の「年齢を越す時どうだったか」について話を聞いてみたいなと思っています。

今でも考えることは「兄は亡くなる間際に何を思っていたんだろう」という気持ち

私が兄の年齢を越す前も後も、時々考えるのが「兄の気持ち」です。

考えたところで答えは出ません。

自死遺族は「亡くなった人が残したものから想像する」ことしか出来ません。

「答えが出ないことを考え続ける」ことこそが自死遺族の苦しみでしょう。

29歳を目前にした兄を想像する

年齢だけを見ると、とても若い。

周りの人から見ると「人生これから」な年齢ですね。

私が兄の気持ちを想像する頻度は、時間が経つほどに減っています。

しかし今回のような「誕生日」という節目や、兄に関連するキーワードを見聞きすると考えてしまいます。

  • 何を思っていたんだろう?
  • どういう気持ちでいたんだろう?もしかしたら「死ねること」で安心していた?
  • もう「死ぬこと」しか考えられなかったのか?
  • ちょっとでも、ネット上でも良いから気持ちを話せる人はいなかったのかな
  • 育った環境が違ったら、こうはならなかったのかな

このような答えが出ないことを、ぐるぐるぐるぐる考えてしまいます。

会って気持ちを聞いてみたい

答えが出ないことを考える時に「会って兄の本音を聞いてみたい」とよく思います。

私は兄と腹を割って話すことはありませんでした。

今になって、話したい人と話せないのはとても寂しいことです。

こちらは「亡くなったあの人と話したい・・・をかなえる本」について紹介しています。亡くなった人のメッセージを受けとる方法が具体的に書いてある本です。一部自死について書かれているページもあります。

「死者が蘇る」というようなものから想像する

ちょっとここで分かる人にしか分からない話をします(いきなり)。

「ファイナルファンタジーⅩ」というゲームに「死人(しびと)」という存在があります。

死人は、生前への未練が強い人が、生前の姿で蘇った状態です。

こちらはゲームの中のイベント集の動画です。初めのほうに亡くなった人に会える場所に行くシーンがあります。姿のみ現れて、話はできません。亡くなった人を見てキャラクターたちは自分の考えや思いを語っています。

このゲームの中で死人が成仏する方法は、未練を解消させるか、召喚士という職業の人に「異界送り」という儀式で成仏する2つの方法があります。

もし、兄にこの世に未練があったら、死人となってどこかにいるかもしれない。

もしそうだったら、兄が好きだったアサヒのビールを一緒に飲みたかったな~と思います。

でも、兄に未練がなかったら無理なのかな・・・。こちらが「会いたい」と思うだけではダメなんだなぁとちょっとガッカリもします。

まとめ

今回は主に「私が兄の年齢を越す時」について主にお伝えしました。

私は自分の誕生日が近づくと、何かしら兄と関連付けてしまいます。

30歳より前は私も不安定でしたが今は元気なので「兄もあきらめなかったら・・・」と

考えても仕方ないことを考えてしまいます。

そして、上の兄弟を亡くされた方の気持ちを聞いてみたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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