前々から気になっていた「自殺遺族になっちゃった」という漫画。先日、電子書籍で購入して読んでみました。
私の感想は「分かりやすくて、読みやすく、すごく良かった。メインの話が事故物件になってしまった部屋の後処理や悪徳弁護士との闘い。故人のことを考える余裕も暇もなく、コトが落ち着いたころに少しずつ精神的に追い込まれる様子がすごくよく伝わってきた」です。
私は兄を亡くした自死遺族の立場です。事後処理は全て両親(主に母親)がしていたし、特に誰かとトラブルになったわけでもなかったんです。
なので不謹慎な言い方かもしれませんが、勉強になりました。
この漫画の方は妻の立場であり、しかも離婚届けを提出する寸前の別居中という、気持ちが離れている状況でこんなことになるなんて・・・。
なんとも、この方の気持ちを想像すると、はかり知れません。
「自分の経験が誰かのために」と漫画にしてくださったこと、私は感謝の気持ちが湧きました。ありがとうございます。
もし興味のある方は下記も読んでみてください。私も何かお役に立てればと思っています。
漫画「自殺遺族になっちゃった」
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本当はコミックがほしかったんですが、ちょっと節約のために電子版を購入しました。あとで中古コミックがあったことを知りました・・。
けっこうインパクトのある表紙ですよね。インパクトがありすぎて私はちょっと読む勇気がなかったんですよ。でも今回読んで良かったです。
「自死遺族」ではなく「自殺遺族」というタイトルにしたのは、あえてなのでしょうかね。
主に「事故物件」にまつわる法的な話
この漫画では、故人が一人暮らししていた部屋で首を吊って亡くなられています。そこから話が始まっています。
発見した人が救急車を呼んで病院に運ばれたため、「どこで亡くなった」が「事故物件」になるかならないかという判断基準と描かれています。
この方の場合は「自宅」で亡くなったと判断されたため「事故物件」となり、大家さんから弁護士を通して一千万円の損害賠償を請求されてしまいます。
主人公側も弁護士を雇うのですが、この弁護士さんがとても頑張ってくれます。この一千万千の請求はほとんど「ぼったくり」として闘っていくんです。
混乱している中で、足元を見られるやり方をされるので、思わず支払ってしまう人もいるかもしれません。
儲け主義の弁護士はこんなところで稼ごうとしているんですね。血も涙もありません。
精神的に壊れていく後半
前半はお金やその物件に住む人の問題でバタバタとします。
問題が少し落ち着いてくる後半になって、気持ちの面が描かれています。
亡くなった夫の家族からの言葉。子どもが通う保育園にウワサが広まり行きづらくなる。
保育園を休んでいるからと、虐待を疑われる。
近所の目。「旦那が病死してるから同じ境遇だね」という言葉。
どんどん心が壊れていきます。
周りの人にとってはなんでもないことかもしれません。でも、本人にとっては「二次被害」といわれるくらいのものだと思います。
これ、本当にしんどい。誰だってこんなことがあったら壊れますよ・・・。
最後は少しずつ回復されている様子が描かれています。
描き方の好き嫌いは分かれるかも
個人的には読んで良かった作品です。
漫画の中で、言葉がかなりストレートだったりキツく感じる方もいるかなと思いながら読みました。「このノリ」が苦手という方もいるかも。
重い話だけどコミカルに描いている場面もあります。
私はこの「コミカルさ」や「サクサクさ」は好きです。後半にはしっかり精神面が描かれていますし、作品だから「ページ数」の都合など色々あるんだと勝手に思って自分なりに補完しています。
自死遺族の方でも、自死遺族でなくても読んで無駄にはならない作品だと思います。
最後に
改めて、苦しい経験を形にしてくれることはすごいことだと思いました。
きっと誰かの役に立つと考えたら、私も頑張って発信し続けたいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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