マイナスに働く価値観、消してしまいたい過去を「手放そう」という文言、よく見かけます。
実際に手放せた人は、何人ぐらいいるのでしょうか?
ここでは「手放してはいけない」と言いたいのではありません。
「実際にどうやって手放すのか分からない」「手放せない自分を責めてしまう」「手放したつもりだったけど、また出てきた」と思うことはありませんか。
「手放すこと」に頑張ってしまい、負のスパイラルに入ってしまう人が多くいます。
そんな方へ「手放す」ことを一旦置いて、もっと楽になれる視点をお伝えします。
参考にしていただければ嬉しいです。
価値観を手放すよりも、まずは受け入れること
手放そう手放そうと思えば思うほど、とらわれてしまいます。そして、ネガティブなサイクルに入りがちです。
消してしまいたい過去、生い立ち、幼少期の出来事。生きづらさに繋がる価値観や固定観念。手放せたら良いなと思うのは、当然のことです。
今まで辛い思いをしてきたのなら、誰もが手放したいと思うでしょう。
私も、アルコール依存症の父やうつを抱える母との過去は、嫌な思い出がとても多いです。
いつまでたっても、辛いものは辛い
例えば、「世間体を気にする」という両親の価値観を、私は受け継いでいます。それを「手放したい」と思っていました。
しかし、どれだけ変えようと頑張っても、「クセ」となって出てくるんですよね。普段は出てこなくても、人と接するときや、突発的に出てくる。
「クセ」となったものは、なかなか言うことを聞いてくれません。そして、「手放せていない」とまた自分を責めてしまう。このように、ネガティブなサイクルが回り始めます。
ここ!手放すの、いったんストップ!
この「自動思考」、いったん置いておきます。
そして、この「自分を困らせてくる価値観」は何だろう?と、立ち止まって考えてみましょう。
足を引っ張る価値観を観察する
私の場合、「世間体を気にする」という価値観を持っているとお伝えしました。他にも色々あります。
- 「何か裏があるんじゃないか」と慎重になる
- バカにされていると感じる
- 優柔不断
- 周りの目を気にする
私にはこのような「手放したい価値観」を持っています。あなたはどんな価値観を持っていますか?
出てきた価値観を、ノートに書いてみるのも良いです。自分の中から「取り出すイメージ」をしてみるのも良いでしょう。
ニックネームをつけてみるのも有効ですよ。
「世間体を気にする」を「セケン・テイラー」と名付けたよ
イラストにしてもOK
その価値観くんは、どんなときに出てくる?
出てきた価値観を、観察してみましょう。次の質問の答えを、少し考えてみてください。
〇あなたの足を引っ張る価値観くんは、どんな場面で出てきますか?
〇どんなときに、あなたを攻撃してきますか?
〇たぶん、出てこないときもあるはずです。出てこないときは、どんなときでしょうか?
〇価値観くんは、何が苦手ですか?
〇その価値観くんのおかげで、助かったときはどんなときですか?得られたものはなんですか?
〇その価値観くんと、一緒にいても良いなと思えるときは、ありますか?
「価値観を手放したい」と思うときは、デメリットが目立つからだと私は思っています。
その一方で、メリットもあると考えます。
「そのおかげで」と考えると、メリットになった場面を思い出せます。
私の場合、「世間体を気にする」おかげで得たメリットがあります。それは「相手に不快感を与えない」とか、「清潔感を大事にする」などです。
人それぞれ、違うものが出てきそうだね
・「何か裏があるんじゃないか」と考えたおかげで、騙されずに済んだ。
・「優柔不断」なおかげで、無駄遣いせずに済んだ。
このような感じで、そのおかげで得られたメリットを考えてみましょう。
メリットがあるなら、手放す必要はない
一見、ネガティブと思える価値観でも、案外役に立っていることがあるんです。
普段、それを忘れているだけなんですね。どうしてかというと、生き物は身を守るために「ネガティブなもの」が強く印象に残るからです。
価値観くんは、守ってくれてたんだね
価値観くんのこと、観察できましたか?
メリットとデメリット。役に立つときと足を引っ張るとき。それぞれ、ありますね。
明確になったなら、この価値観くんを、場面によって使い分けることができます。
「今はコレ」「今度はコレ」と、旗挙げゲームのように上げたり下げたりするイメージです。
最初はピンとこなくても、意識するところから始めてOK
「無理やり良いことにする」は違う
一つ注意したいことがあります。それは「無理やり良いことにする」です。
どうしようもない価値観くんに対して、無理に良いところを見つける必要はありません。
無理をすると、マイナスな気持ちになり、ネガティブなサイクルに入ってしまうからです。
だからこそ、「私はこういう価値観を持っているんだ」と気づけば、それでOKです。
無理やり「どうにかしよう」と思うことはありません。
ノートに書いて、置いておこう
その価値観について、ノートに思うがままに書き殴ってみるのも良いです。
こちらの記事に「書く瞑想」の方法を紹介しています。ご参考に。
「メンタルマネジメント大全」
ありとあらゆるメンタルの不調に役立つ教科書のような本
具体的な対策が書かれています
さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私は「この価値観があるから、うまくいかないんだ」と、何度も自分を責めてきました。
その価値観を手放そうと、頑張るけどなかなか手放せませんでした。
それよりも、受け入れて、使い道を考えること。そうした方が建設的だと私は思うし、気持ちもずいぶん楽になりました。
この記事がお役に立てれば、とても嬉しいです。
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