私の兄は自死で亡くなりました。命日は2011年8月20日です。
あれから、13年経ちました。
昨日、8月1日に、お墓参りに行ってきました。
昨日、兄と私のために、じんわりと自分の気持ちを感じ、泣けました。
純粋に、兄と私のために泣けたのは、ほとんど初めてでした。
自死遺族という私の中の重荷の変化
兄の眠るお墓は、車で高速道路を走って1時間半ほどのところ。実家の近くにあります。
すごく近くはないけれど遠くもない、そんな距離感です。
時々、ふとお墓に行きたくなるんです。
今月は月命日ということもあって、なんだかそわそわしています。
「命日反応」というものが、あるみたいですね。記念日反応という言葉もあります。
亡くなった人の命日や月命日、誕生日や記念日などに、悲嘆が深くなることがあります。これをanniversary reactionといい、日本語では記念日反応・命日反応と呼ばれています。
この命日反応は、悲嘆を抱える方なら誰しも起こし得る反応で決して異常な反応ではありませんが、その死別体験が突然であった場合などは強い苦痛を伴います。
以前は兄のためのお墓参りではなかった
私がお墓に行くこと、最初は義務感のようなものがありました。
何かっていうと、両親に対しての、「ちゃんとやってますよ」というアピールでしたね。
私はインナーチャイルドというものを抱えていました。
私の場合、私が小さなころから両親に対して、「言うことを聞かなければならない」とか「良い子でいなければならない」という価値観に縛られていました。
なので「お墓参りをすること」は、特に母親が私に望んでいることでした。以前は、それを義務だと私は感じて、お墓参りに行っていたんですね。母の顔色をうかがっていたんです。
ここ最近、私はインナーチャイルドを克服したのもあってか、「お墓参りに行きたい」という自らの動機で行くようになりました。
「そんなの普通じゃん?」と思う人には、ピンとこない話だと思います。
ただ、周りの意見を最優先にしていたような、生きづらさを抱えた人にとっては、ものすごい成長なんですよね。
兄を亡くしたときのことは、こちら
兄と自分のための気持ちと涙
今回のお墓参りで、ほとんど初めて兄と自分のために、じんわりとした気持ちが湧いてきました。
自然と涙も出てきました。
寂しい、兄のことが好きだった、バカヤロー
そんな素直な自分の気持ちを、感じることができました。
それは明るくて楽しい気持ちではありません。でも、大切にしたい。そして、しばらく感じていたい気持ちです。
今まで感じてあげなかった気持ちたち。冷たい地面の深いところに、埋めてしまっていたもの。
今まで、ごめんね。今、出て来てくれて、ありがとう。
これからは、一緒に生きていこうね。
気持ちたちと、これから仲良くやっていけそうです。
そう思うと、なんだか心がスーッと浄化されたような感覚で、心が晴れたんです。
インナーチャイルドの克服
兄が自死をする前も後も、私は幼少期からの家族関係が要因で、心を病んでいました。
兄が自死をしてから、「母を支えなければ」というものが最優先になってしまいました。
兄のことも、自分のことも後回し。母にどれだけ暴言を吐かれても、父がどれだけ無関心を貫いていても。
共依存関係になっていた、母との関係が私の中心でした。自分の気持ちは封印し、いつしか自分の気持ちが分からなくなっていました。
最近になって、色々な苦しいことから解放され、自分の気持ちを感じられるようになりました。
今、素直に兄のため、自分のために泣けることが、変な言い方ですがとても嬉しいんです。
気持ちにフタをするほど、マイナスのものは長引く
悲しい、寂しい、辛い、苦しい・・・ネガティブな気持ちがありますね。
それを感じないようにすればするほど、モヤモヤした状態が長引きます。
私は今まで生きてきた37年間、ずっとモヤモヤしっぱなしでした。
心に空洞があって、何をしても満たされない感じ。
気持ちにフタをせずに、ちゃんとネガティブな気持ちに向き合うと、回復も早いんですね。
若い世代の自死遺族の方へ
特に若くして、家族や大切な人が自死で亡くなった場合。それが大きなトラウマや傷になる。
親や周りに気を遣って過ごし、友達に話せても「なんだかな・・・」となる。
このような感じで「自分の気持ちにフタをする」とか、「自分を後回し」にしてしまう人もいる。
その状態で、これからを生きていく。働かないといけないし、自分の課題を乗り越えないといけない。
モヤモヤしたままだと、ものすごくしんどいです。
そうならないために、どうか、自分のために、自分の気持ちだけは受け止めてほしい。
それができるとできないとでは、生きやすさが大きく変わってくると思います。
自分の素直な気持ちを、自分で受け止める。スーッと楽になっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本紹介
大切な人を自死で亡くされた方々の思いを集めた一冊。
色々な立場の人が、それぞれの気持ちを綴られています。
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