職場で、上司から「自分の意見を持つように」と言われながらも、同時に「周りに合わせてください」と要求される。

どっち?!どっちもってこと?!



場面や関わる人よって変えたらいいの?



具体的に言ってよ!
プライベートでは、友人から「率直に話してほしい」と求められながらも、別の友人から「傷つけない言い方をしてほしい」とお願いされた。



どうアプローチしても不満が生まれる。
みんながわがままなの?私がコミュニケーション下手なの?
このような、「二つの正反対の指示」に困ったことはありませんか?
細かいことを気にしない人にとっては、「適当に対応する」で解決。
でも、HSPさんや繊細さんにとっては、モヤモヤすること。
今回は、この「どっちなの?!」に対して、ストレスを減らし、うまく対応する方法をお伝えします。


困るのは、自己肯定感が低く自分の意見を強く主張できないとき
この「二つの反対の指示」を「ダブルバインド」と呼びます。
ダブルバインドとは、矛盾する2つのメッセージを受け取ることで、精神的なストレスを感じることをいいます。
英単語のダブル(Double)には「二重」や「二倍」、バインド(Bind)には「拘束」「束縛」という意味があり、ダブルバインドを直訳すると、「二重拘束」となります。
他者からの指示の場合もあれば、「自分の中の相反する欲求」も、ダブルバインドと呼びます。



どっちなんだよ!!ってなるやつ
例えば、
「痩せたい!けど食べたい!」
「私は好きじゃない!でも嫌われたくない!」
「好きな人と一緒になりたい!でも、親の紹介を断れない!」
など。
今回は、「人からの指示」のダブルバインドについて、です。
この「人からの二つの反対の指示」に、困りがちな人の特徴があります。
それは、
・敏感で他人の感情を読み取りやすい人
・社交的だけど(または、社交的に振舞う)、本当に仲良くなるのには時間がかかる人
このような「HSP」や「繊細さん」の特徴が当てはまる人です。
もちろん、繊細な性格なだけで、困るというわけではありません。
繊細で、かつ自己肯定感が低く、自分の意見をなかなか主張できない人が、特に困る状況です。
周囲の期待に応えられないことからくる不安感や気苦労
HSPさんや繊細さんは特に、他人の感情を読み取る能力が高いです。



これ自体は素晴らしいものです!
それゆえに、他人の期待に応えることからくるプレッシャーを感じやすい側面も。
これがダブルバインドの状況を、さらに複雑にしてしまいます。
HSPさんの持つ共感力や、期待に応えようとする姿勢は素晴らしいことに間違いないです。
この能力は、身に付けようと思っても、なかなかできません。
ただ、自己肯定感が低かったり、「自分軸」が育っていない人にとっては、とても大きなストレスになってしまいます。



使い方、使える環境か、なんよね
どの選択をしても批判されそうで恐いため、決断を避ける傾向がある
二つの正反対の指示のうち、一つに応えたとします。
でも、その指示を出した人が、その瞬間はもう一つの反対の指示のことを求めていたら。
「言ったじゃん!」「なんでそうなるの!」
みたいなリアクションが返ってきそうです。
伝わりますかね?
細かいことを気にしない人や、普段から主張が出来る人にとっては
「いや、最初に○○って言われました。」
「次から具体的な指示をください。」
と言えるんですよね。
同じ職場に、そんな風にちゃんと主張できる人がいると、うらやましくなります。
でも、「えっ?!」と思っても押し黙ってしまったり、我慢してしまう人、にとっては、この反応が嫌なんです。



なんなら「びっくりすること」も隠したりする
「結局、どっちやっても責めるんじゃん!」
と、投げやりになることもあります。



イライラ・モヤモヤやばいよ
そして、その相手のことがどんどん苦手になる。
となると、コミュニケーションも取りづらくなります。
本当は、スムーズなやりとりを望んでいるのに、「批判される!」と身構えてしまいませんか?


自分の感情を後回しにするクセがある
繊細な人は、高い共感力をもっていることから、他人の感情や、他人のニーズをキャッチしすぎる面があります。
無意識に他人の感情を優先することがあり、そのときはどうしても自分の感情が後回しに。
そうすると、自分の思いやストレスを吐き出せずに、精神的に疲れてしまいます。



このクセ、やめたいけどやめられないんよ
自分の意見を主張したいけど、人を傷つけたくないという思いを持っている人も多いですね。
実際に主張や反論をしてみた結果、後悔して一人反省会をしたり。



「今ごろあいつパフェ食ってるよ」なんだけどね・・
そうして、一貫した態度を示せずに、戸惑うことが多いです。
ダブルバインドの状況になっても、ブレないために


人と関わる以上、「矛盾した指示を受けない」ことは難しいです。
人は完璧ではありません。
悪気はなくても、前に何を言ったか、忘れることはよくあります。←この前提を持っていた方が、なにかと生きやすくはなります。



そりゃそーなんだけど
だからといって、強い言葉で感情的に言うのは肯定しませんが。
なんにしても、相手は変えられませんよね。
大事なのは、「そういう状況になったときに、どうするか」です。
まずは、対処法として、お伝えします。
日々、自分の意見を意識的に言ってみる。
意見を言うのはハードルが高い場合は、紙やノートに書くことをおすすめします。
少なくとも、「自分は自分の意見をよく分かっている」ことが大事です。
ポイントは、小さなことでも書き出してみること。
「吐き出す」ことにもなるし、自分の考えを客観的に見直すことができます。



ぶちまける!!くらいの勢いで!!書っく!!
「どっちですか?」と聞いてみる。
意見を言えそうなときは、指示を出した人に直接聞いてみるのも一つの手です。
「この間は○○してくれと言われたんですが、今回は△△で良いですか?」
「ちょっと分からなくて困ってるんですが、△△で合ってますか?」
このように、ストレートに聞く、素直に「分からない」と言ってしまう。
これも一つの選択肢です。
案外、聞いてみるとすんなりと進むケースもよくあります。
これは「やってみないと分からない」ことなので、少し勇気がいりますよね。
「やってみた」「できた」「言えた」「意外と大丈夫だった」
この「トライする→大丈夫だった」という体験を、積み重ねてほしいと私は思います



このときだけ、何かになりきるのも、アリ。
「煉獄さんみたいにパワー系でいこう」
「出木杉くんみたいに冷静にいこう」
少し待ってもらう
「期待に応えたい」「応えないといけない」
こう思っている人にとって、人から要求があったときに思いがちなこと。
それが「すぐに応えないといけない」です。
すぐに返事しないと!1時間以内に答えを出さないと!
半ば、強迫観念のように感じる繊細さんも多いです。



「しないと!」モードになると、完了するまで落ち着かない
ただ、これも意外と「思い込み」かもしれません。
さきほどの2.と被りますが、
「いつまでにやりましょうか?」
「1週間ほどお待ちいただけますか?」
「今、■■を頼まれているので、それが終わり次第でも大丈夫ですか?」
このように、聞いてみることができると、ストレスがかなり減ります。
そして、「案外大丈夫だった」という体験をしてみてください。



周りの人を見ると、割とみんな普通に言ってるんよね
仲間をつくる
敵・味方を作る、というわけではありませんが、同じように感じている人は大体同じコミュニティにいます。
そんな人を見つけて、少し愚痴を聞いてもらうだけでも、気の持ちようが変わります。
「自分だけじゃなかった」と知るだけで、安心できませんか?
安心できると、リラックスすることができますよね。
そうすると、余裕ができて、ちょっとおかしな指示を出されても、モヤモヤせずに済むこともあります。



でた!!矛盾おばけ👻とか言っていいんよ
目的を思い出す
相手に対する対処法ではありませんが、「自分がそこにいる目的」を見直す作業も必要です。



ちょっと落ち着いた頃にやってみて♪
職場なら
「何のために働いているのか?」
少なくとも、その困った指示を出す人のためではないはずです。
友人関係なら
「その友人とどうなりたいのか?」
もっと仲良くなりたいのか?それとも、なんか合わなくなってきたと感じているのか?
毎日タスクに追われていると、いつの間にか視野が狭くなっていることがあります。
最初は目的や目標があったのに、気づくと目的を見失ってしまうことも、よくあります。
だからこそ、時々見直す作業はとても大切です。



月に一回やる!って決めてても良いね
目的を再確認したら、自分がどう振舞えばいいのか、自然と見えてきますよ。
繊細さんの本来の魅力を活かすために
毎日の気づかいや気苦労で、繊細さんのもつ「共感力」「広い視野」「安心感を与える」など、素晴らしい面が埋もれてしまうことがあります。
私は、繊細さんが持つ、その魅力を活かしたいと思っています。
その魅力を埋もれさせずに、少しでも「生きづらさ」を減らして、
のびのびと生きられるように。
繊細さんの気づかいが、無駄にならないように。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!


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